「三たて」を活かすそば打ち
石臼挽きされたそば粉は、熟練の手で
美味しいそばに仕上げられます
玄そばが本来持つ風味を100%活かす
本むら庵のそばは、こうして作られます
そば粉の一粒一粒に水を均等に行き渡らせるための「水回し」から、「菊もみ」、「へそ出し」を経て玉を作ります。木鉢の中での一連の作業が手打ちの基本中の基本です。
水回し
そば粉と小麦粉をよく混ぜ、水を加えながらそばの塊をつくっていきます。水回しはそば打ちで最も重要な工程。 最初にして最大の山場です。
こね
そば粉のまわりに付着した水分を中に練り込む作業。そばのコシを引き出すのに欠かせない作業です。
練る
丹念にそば粉の粒子を潰していき、粘りを存分に引き出します。
菊もみ
そば玉を練り込んでいく作業。空気を抜いて玉にまとめます。
へそ出し
鉢の縁を使いながら、玉を円錐状に仕上げて丸く厚みのあるそ ば玉に整えます。
こねあがった玉を薄く延ばしていく作業。ここで時間がかかってしまうと、生地が乾いて「そばが風邪を引いて」しまいます。手順よく手早い作業が求められます。
地のし
こねあがった玉を、のし板の上で手のひら全体で均等に広げていきます。
麺棒で延ばす
麺棒を使って均一に丸く延ばし、薄い円形の生地に仕上げていきます。
角出し
麺棒に巻き取ったり、転がしたりを繰り返しながら、円形のそば生地を四角形にしていきます。
本延ばし
細かく麺棒を動かしながら、乾かさないように、薄く均一な厚さに生地を延ばしていきます。
江戸風はコマ板を使った細打ちが特長。江戸時代、ぴしっと揃った細打ち麺を作れることは、その職人が高度な技術を持っていることの証。それによって給金の額が決まったと言われます。
たたみ
延ばし終えた生地を包丁の幅に合わせてたたみます。合わさる 部分に打ち粉を振り、生地同士がつかないようにします。
切り
包丁の重みを利用して、押すように、リズミカルに切っていきます。
そばを茹でる人を「釜前」と呼びます。茹でる前に生そばを目で見て、手で触って、どういうそばかを瞬時に判断し、その茹で加減を決めます。切れやすいそばを最良の状態で茹でられるかは 「釜前」の腕一つで決まります。
湯に入れる
たっぷりの熱湯に、そばをほぐしながら、パラパラと置くように入れていきます。
茹でる
湯の中でそばを泳がせます。茹で時間は30秒前後。タイミングよく素早く湯からあげます。
水で洗う
冷水をかけてそばを一気に冷やし、表面のぬめりを手際よく洗い流します。そばが締まり、歯応えのあるそばになります。
盛りつける
3本の指を使って、水切れをよくするよう均等にしながら、せいろに盛りつけます。